
これは中東、ドバイのDubai Design District(http://www.dubaidesigndistrict.com/)という、いわゆるイベントホールにて撮影された一枚です。卵型のデスクになっていて完全にプライバシーが守られたデザインとなっています。
おそらく、作者の意図はそのデザイン性にあり、機能性は担保されていないものだと思われます。しかしながら、皆さんは人を惹きつけてしまう”何か”をこのデスクには感じませんか?今日は”プライバシー”という観点からデスクを見ていきましょう。


Googleが考える個の時間
オフィスの設計には色々な論議があります。例えばGoogleは、著書"How google works"にて、社員が一同に集い、その活気あるオフィスから生まれるコミュニケーションの相互性こそが彼らのイノベーションを促していると述べています。しかし、一方で、Googleでは社内の各所に一人で集中できる場所を用意しています。なぜでしょうか。
感情論で言えば、仕事に対して集中したい時間がある、コミュニケーションに疲れた、など色々とあると思いますが、Googleのイノベーションの本質性は、インプットとアウトプット、自分と向き合う時間と他者と向き合う時間の往復により思考を研磨することにあると彼らが考えているからです。
つまり、ネチネチと個人ワークで自分と向き合い、出した結論を社員同士でぶつけ合う。世界でもトップクラスの優秀な社員たちが鋭利な意見をさらに鋭利にしていく作業をしているわけです。
では、その着想の場である個の時間を最大限に活かす為に、どのような工夫をしているのでしょうか。産業革命を支えた発明家、ジェームズ・ワットはアイデアが出る時は決まって、牧草地帯を散歩したと言います。

そして彼が生み出したのは、蒸気機関です。同様にスティーブ・ジョブズがiMacを着想した時、彼は散歩している時だったと言います。アイデアとは副交感神経が優位の状態、すなわちリラックスしている状態で生み出されることが多いようです。
世界で一番クリエイティブな民族は日本人だと言われています。(http://news.mynavi.jp/news/2016/11/10/349/)日本人は無意識的に新しいアイデアの生み出し方を体得していると考えられています。例えば、「肩の力を抜きなさい」という言い回しがありますが、これはリラックスすることで、視野が広がり、仕事に対して上手いやり方が身につくこと、すなわち着想することを経験知として知っているからだと考えられています。


21世紀のデスクに必要なもの
長々と書いてきましたが、デスクとプライバシー、そこからリラックスすることが個人ワークには必要不可欠であることを理解頂けたかと思います。
ただ作業をするだけでなく、着想を重ねていく必要のある21世紀のデスクで一番大切なことはリラックスをデザインすることであると考えられるでしょう。
立って仕事をするデスクがリラックスできる人もいれば、
好きなものに囲まれるのもリラックスできる人もいるでしょう。
整理整頓、匂い、色などがキーワードになるかもしれません。
あなたにとっての最良のデスクを創りましょう。
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